新たな計画と開発中止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/20 15:30 UTC 版)
「XF-108 (戦闘機)」の記事における「新たな計画と開発中止」の解説
しかし、予算上の問題で長距離要撃機計画は1956年5月9日に中止となってしまった。その後1957年4月11日に計画は再開されるが、その性格は大きく変更され、長距離要撃のほか当時の戦略航空軍団の次期爆撃機として開発が進められていたB-70の護衛戦闘機としての性能も要求された。そのため、マッハ3での巡航が可能でかつ航続性能の大きな航空機が必要とされた。 アメリカ空軍は1957年6月6日にこの要求を盛り込んだ上でノースアメリカンに開発再開を依頼し、試作機2機の発注がなされた。ノースアメリカンはNA-236案と同様のNA-257案でもって開発を再開し、この航空機にはXF-108およびウエポンシステム202Aの名称が与えられた。 しかし、B-70の目標とした航続距離が約12,000km(アラスカ-モスクワ間を無給油で往復することが目標であった)にも及ぶのに対しXF-108は4,000km程度であったことから、戦略航空軍団において「爆撃機の全航程をカバーできない護衛は護衛ではない」、あるいは「戦闘機が向かってくるなら護衛もできるが、対空ミサイル相手では護衛できない」といった護衛戦闘機への懐疑論が生じたことや、ICBMやSLBMなど爆撃機より安全で確実な核攻撃手段の発達などによってB-70計画が縮小されたことにより、計画への興味は次第に失われた。結局XF-108は1959年にモックアップのみ作成されたものの、同年9月23日に再び開発が中止された。
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