文化人類学・民俗学とスカトロジー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 22:08 UTC 版)
「スカトロジー」の記事における「文化人類学・民俗学とスカトロジー」の解説
糞尿の処理に関しては、様々な文化圏において、多種多様な方法が存在する。例えば、現代の日本においては、糞尿は水洗便所をもって社会から隔離され、人目に触れないように処分される地域も多いが、一部地域では汚水升に溜めた物を専用の車両を使って回収し、処分場に運搬している。また各家庭で浄化槽を配置し、それらの設備を使って各戸で細菌により処理させているところも多い。しかし歴史的には、屎尿は貴重な農耕肥料としての資源として扱われ、江戸時代においては金銭で売買(金肥)されることもあった。屎尿にも等級があり、最上等は武家屋敷のもの、最下等は牢屋のものであったという。 このような糞尿処理のあり方は、経済発展のバロメーターとしても捉えることが出来るが、地域の気候風土によっては、他地域で取られている処分方法が用いられないこともあり、それらの扱いにおける差異も含めて、便所等の設備を、地域性に絡めて研究する者も多い。特に便所には地域性が色濃く出ることもある。 考古学の分野ではトイレ遺構から、そこに住んでいた者の生活様態や健康状態などを推測することが可能な情報が得られている。
※この「文化人類学・民俗学とスカトロジー」の解説は、「スカトロジー」の解説の一部です。
「文化人類学・民俗学とスカトロジー」を含む「スカトロジー」の記事については、「スカトロジー」の概要を参照ください。
- 文化人類学民俗学とスカトロジーのページへのリンク