教科書・教科書指導書の記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:17 UTC 版)
「かけ算の順序問題」の記事における「教科書・教科書指導書の記述」の解説
日本の学校教育では、小学校2年生の算数でかけ算の導入が行なわれる。小学校2年生の算数教科書では、 1つぶんの数 × いくつ分 = ぜんぶの数 として、かけ算の導入がなされる。 例えば、 ☆1(ア) 1冊x円のノートを8冊買います。代金をy円としてxとyの関係を式に表しましょう。 — 啓林館 小6算数教科書『わくわく算数6上』 p.58 という問題の正解は「x × 8 = y」と教科書に示されている。 この教科書の指導書では、 ☆1の(ア)でいえば、x × 8 = y でも y = x × 8 でも正しいが、「1冊x円のノートを8冊買い、代金がy円であるときの関係式」という文章の流れからいけば、x × 8 = yを推奨したい。ただし、x × 8 が 8 × x になっている場合は、「8円のノートがx冊」という意味になってしまうので問題文とは合わない。常に式の意味をしっかりと意識させることが大事である。 — 啓林館 小6算数教科書『わくわく算数6上』指導書朱註 p.58 と説明されている。さらに、 1個x円の弁当を3個まとめて買うと、80円安くなります。このときの代金を表している式は、次のどれですか。 (あ) x×3+80 (い) 3×x+80 (う) x×3-80 (え) 3×x-80 という問題があり、(う)のみを正解としている。このように、現行の啓林館教科書では小学6年に至るまで「特定の順序で表される式のみが正しい」とし、現場教員向けのマニュアルでも順序の逆になった式は意味が文と合わないとしている。 小学校算数教材では解答欄が「式」と「答」に分かれているのが通例である。教員は、指導書に従って、「式」の欄を見て、児童が問題文の読み取りを正しくできているかどうかを採点することになる。正しく読み取りができていないとされる式の書き方をしている児童は、答が正しくても「式」が正しくないので不正解だとされることがある。このような場合は、「式」にバツをつけて「答」にマルをつけるのが通例である。 中日新聞の取材に対して、東京書籍は、文章題の意味を理解しているかを判別する手がかりとして式の順序を見るといい、また、指導要領解説に「10 × 4は、10が四つあることから、40になる」といった記述があることを根拠に「順序に意味がある」と主張した。
※この「教科書・教科書指導書の記述」の解説は、「かけ算の順序問題」の解説の一部です。
「教科書・教科書指導書の記述」を含む「かけ算の順序問題」の記事については、「かけ算の順序問題」の概要を参照ください。
- 教科書・教科書指導書の記述のページへのリンク