推進軸の周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 10:03 UTC 版)
船の主機関からプロペラまでの船の推進軸に関わる装置類はまとめて軸系装置と呼ばれる。以下に主機関から順に列記する。 主機関 減速歯車スラスト・ブロック(推力軸受) 中間軸 中間軸受け 軸継ぎ手 プロペラ軸 船尾管船尾管軸受 軸封装置(シール装置) シャフトブラケット シャフトブラケット軸受 プロペラ 推進器が通常のプロペラと異なり、ポッド推進器やウォータージェット推進、シュナイダープロペラ、外輪車の場合はこれらのいくつかや、多くが不要となり他の形式を必要とするものが多い。 プロペラで発生した推進力を船体に伝える働きをするスラスト・ブロックは主機関や減速歯車に一体となって取り付けられる場合が多い。エンジン回転数が遅い場合は減速歯車は不要となる。 大きな船で推進軸が長い場合には1本またはそれ以上の中間軸とそれを保持する軸受けを備えるが、推進軸が短い場合には中間軸を持たずにプロペラが取り付けられるプロペラ軸だけを備える船がある。中間軸とプロペラ軸とは軸継ぎ手で接続される。基本的には、船舶での推進軸は自在継ぎ手によって途中の角度が変えられることはあまりなく、角度の変更が必要な場合には歯車が使用される。 船尾管は船体を貫くプロペラ軸を通すための管であり、軸封装置(シール装置)によって船体外部の水が内部に侵入しないようにしながら、プロペラ軸を保持して円滑な回転を助ける働きを持つ。シャフトブラケットは多軸推進船に固有の部品であり、プロペラまで水中に長く突き出たプロペラ軸を保持する。1軸推進船ではシャフトブラケットは不要となる。 中間軸やプロペラ軸は、小型船では中まで詰った中実の軸が使われるが、大型船では内部がカラの中空軸が使われる。金属製の中間軸やプロペラ軸は電気を通さない潤滑油等で覆われているために、そのままでは海水と接する面で電気的な腐食が生じる。この腐蝕を防ぐために船体と軸を金属ブラシなどで電気的に接続して、電位を同一にすることで、腐蝕を船尾の防蝕アノードに限定するようになっている。 プロペラは推進軸によって機関室のエンジン、又は減速機と接続されており、このプロペラと推進軸が1組のものが1軸推進と呼ばれ、2組や3組のものが2軸推進、3軸推進と呼ばれる。2軸推進以上では水中での推進軸の露出部が長いために、シャフトブラケットと呼ばれる推進軸の支持構造を持つ船が多い。1軸推進では舵はプロペラ直後に1つだけ持つのが一般的であるが、2軸推進以上では、プロペラ直後に備える他にも船体中央に備える方法もある。
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