捕虜の取り扱い [編集]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/11 07:38 UTC 版)
「イスラーム戦争法」の記事における「捕虜の取り扱い [編集]」の解説
現代の戦時国際法に比べると、イスラーム戦争法における捕虜の取り扱いは一般に残虐である。 まず、戦闘員の捕虜に対しては、現代の国際法においては正当な理由があり、且つ裁判等の正当な手続きをふまなければ、処刑してはならないとされているのに対し、イスラーム戦争法では捕虜がイスラームへの改宗を拒んだ場合司令官の判断で自由に処刑できる。ただしこれは処刑する権利があるだけであり、必ず処刑しなければならないわけではない。処刑しない場合は、奴隷化、身代金や捕虜交換による釈放、恩赦のいずれかが選ばれる。また、捕虜がイスラームに改宗した場合処刑してはならない。 また戦闘員と非戦闘員の区別自体も、現代の戦時国際法とは大きく異なる。現代の戦時国際法は現実に戦闘に参加したか否かで戦闘員と非戦闘員を分けるのに対し、イスラーム戦争法の下では、健康な成人男子であればたとえ全く戦闘にかかわっていなくとも戦闘員として捕虜にされうる。また、女子の場合は現実に戦闘に従事していても戦闘員と看做されることはない。 女子は上に述べたように戦闘に参加したか否かにかかわらず、非戦闘員とみなされるため、処刑してはならない。そのため司令官は女子の捕虜の取り扱いに関しては奴隷化、身代金や捕虜交換による釈放、恩赦の3つの選択肢が許されている。しかし、女子を奴隷にした上で、戦闘に参加した兵士たちに報酬として分配し、彼女らを強姦する権利を与えることは、イスラーム戦争法によれば合法である。9世紀のハディース集「真正集」は、ムハンマド在世中からこのような行動が認められていたことを記している。 また男子であっても、老人や病人、子供、そして隠遁者である場合は非戦闘員とみなされるため、処刑してはならない。彼らに対しても、司令官には奴隷化、身代金や捕虜交換による釈放、恩赦という3つの選択肢が与えられる。
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