批判法学の最大公約数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:43 UTC 版)
先述したように、批判法学は多様性を内包した学派・運動であるが、共通項を括り出す試みもなされている。「議論の便宜のため」であると留保しつつ、法哲学者である中山竜一は次の5つの要素(主張)を挙げている。 (a)法や権利といった概念はそもそも本質的に不確定性をはらむものである。 (b)裁判をはじめとする法的実践は本来的に「政治」にほかならない。 (c)制定法や判例に含まれる法的諸原理はその根底の部分で互いに矛盾している。 (d)そして、こうした法内在的な矛盾は、リベラルな社会が本質的に抱え込んだ根本的な矛盾を反映するものである。 (e)また、過去の法理論・法実務の中心的背景をなしてきたリベラルなリーガリズムは、法を社会的統制や紛争解決の中心的手段として特権化し、その役割を帝国主義的に拡張させる傾向があるが、実際には、法という営みも他の様々な社会的実践の一つであるに過ぎない。
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