打ち上げとその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/03 08:52 UTC 版)
「ヴァンガードTV3」の記事における「打ち上げとその後」の解説
1957年12月6日、ヴァンガードTV3はヴァンガードロケットに乗せられケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられた。しかしリフトオフから2秒後にエンジンの推力が低下し、ロケットは燃料を満載したまま発射台上に崩れ落ちて爆発した。台座は大きな損傷を受け大規模な修繕を余儀なくされたが、人工衛星は完全に破壊されるには至らず、付近に転がり電波を送信し続けていた。 エンジンが停止した正確な原因は不明だが、燃料配管の不良によるものだと推定されている。 これを受けアメリカの各メディアは、「カプートニク」(Kaputnik, ぶち壊れ衛星)、「ステイプットニク」(Stayputnik, 動かない衛星)など、先に打ち上げられた「スプートニク」を捩った造語とともにセンセーショナルに失敗を伝え、スプートニク・ショックをあおった。 1958年1月には、陸軍のチームがアメリカ初の人工衛星エクスプローラー1号を成功裏に打ち上げ、海軍のヴァンガード計画は先を越される形となった。2月に入ってヴァンガードTV3バックアップ機 (TV3BU) の打ち上げが行われたが、発射57秒後に制御システムの異常でロケットが空中分解し、再度の失敗に終わった。ヴァンガード計画の最初の成功は3月のTV4(ヴァンガード1号)を待たねばならなかった。 なお、TV3の実機は事故現場から回収され、アメリカの国立航空宇宙博物館で展示されている。
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