手法への批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 00:21 UTC 版)
アナール派の研究手法に対しては、例えば「集合心性」という言葉が具体的には何を指しているのか明確でない、といった批判も行われた。『ラブレーの宗教』でリュシアン・フェーヴルが「16世紀の人々」を対象にするとき、彼は当時のフランスの人口2000万人すべてが等質な思考や感受性を持っているかのように論じている、とも批判された。 ブローデルの「長期持続」についても、とくに英米の研究者から、その決定論的な側面が批判された。彼の歴史学においては「歴史を動かす大きな潮流」といったマクロ的な視点が強調されすぎていて、歴史に対する人間の自由度がほとんど認められていない、といった声は『地中海』の刊行当初から上がっている。統計的手法に恣意的に依存した数量史の陳腐化は、アナール派第三世代、第四世代にとって批判的に乗り越えられるべき課題となった。
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