手法の背景と問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 00:33 UTC 版)
「シュリンクラップ契約」の記事における「手法の背景と問題点」の解説
著作物の複製物を適法に入手した場合、当該複製物を使用すること自体は本来自由であり、プログラムの著作物についても同様である(もっとも、インストール行為が複製権との関係で問題となりうる点については、後述のとおり)。 その一方で、著作権者が著作物の複製物を渡す際に、著作権者と相手方との間で契約を締結した上で使用に制限を加えることも、強行法規に反しない限り自由である。 しかし、市販プログラムの場合は、プログラムの複製物を著作権者から直接購入せず小売業者から入手することが多い。そのため、著作権者は使用条件をコントロールしたいと考えても、購入した者と直接契約を締結することは困難である。そのため、著作権者が提示する使用許諾契約を締結するよう仕向けるために、媒体の開封行為により提示した契約条件に同意したものとみなす手法が出てくるようになる。 しかし、本来契約が成立するためには、原則として契約の申込みと承諾の通知が必要であり、包装を開封することをもって直ちに契約を承諾したと評価することは難しい面がある。また、著作権法は著作権の支分権として使用権を認めていない。つまり著作権者に使用権は認められていない。したがって、もともと著作権者にない「使用権」を他者に「許諾」するということは法律的には意味がない。そのため、シュリンクラップ契約の法的有効性が問題となる。
※この「手法の背景と問題点」の解説は、「シュリンクラップ契約」の解説の一部です。
「手法の背景と問題点」を含む「シュリンクラップ契約」の記事については、「シュリンクラップ契約」の概要を参照ください。
- 手法の背景と問題点のページへのリンク