扉の増設を伴うもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:58 UTC 版)
この種の改造では国鉄・JRより優等列車において動力分散方式を早くから採用している私鉄の旧型車に見られた。特に料金不要の優等列車を多く設定している阪急電鉄・京阪電気鉄道・西日本鉄道では高性能車でも扉の増設を伴う格下げ改造が行われている。 国鉄・JRでは夜行列車の廃止・削減で余剰となった583系電車を扉の増設・セミクロスシート化した419系・715系電車が存在した他、457系電車を短編成化し、中央部に扉を増設した717系電車900番台が存在した。また東海道・山陽新幹線の0系の25形1900番台は、グリーン車である15形1000番台の余剰車を、扉の増設を行った上で改造したものである。 私鉄では扉を増設・ロングシート化・つり革の設置など通勤形車両に近い形に改造する場合があり、この場合も通勤車格下げと称する場合がある。 元来、優等列車用車両では高速・長距離運転を行う性質上走行距離が大きく、扉の増設などの改造も車体強度を低下させるなど、老朽化を進行させやすい。一例として、格下げ改造を受けた阪急2800系電車が老朽化で全廃された後も、先行して登場した一般車両である2300系電車の方が大量に残存した。また、京阪1900系電車では格下げ後に冷房化と更新修繕を行ったが、経年のある車両への追加改修工事にコストを要したことに鑑み、後継車両である3000系電車はさらに後継となる8000系電車の導入後は格下げされることなく大部分が廃車となるなど、こうした改造はコストがかかりやすい傾向にあるため、昨今ではこの種の改造は行われなくなりつつある。その一方、先述の419系電車は交直流電車という車両製造コストの高さから改造後も長く使用され、種車の583系時代よりも長く使用される異色例となった。 クハ715形 料金不要特急用車両からの格下げの例:京阪1900系は3扉ロングシートに改造された 普通運用に転用された阪急2800系
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