戦争の目標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/20 03:54 UTC 版)
戦争の目標としては第一にオーストリアとチェコスロバキアを同時に打ち負かすことであるとした。これは西方との紛争の際に、側面からの攻撃を回避するためであるとし、さらに両国から300万人の住民を追放して500万~600万人分の食糧供給増加がみこまれるとしていた。ヒトラーはフランスとイギリスがチェコスロバキアを内心で見捨てているとし、ドイツによって解決されることを容認していると見ていた。またイタリア王国もチェコスロバキア処分に異議を持ち出さないとみていたが、オーストリア問題については不透明であり、すべてはベニート・ムッソリーニの存命次第であるとした。さらに攻撃が迅速に行われれば、背後にソビエトを抱えるポーランドも軍事介入を行えないであろうと見ていた。 ヒトラーは当時進行中であったスペイン内戦がまだ3年ほどは続くと考えていた。しかし、フランシスコ・フランコの100%の勝利は望ましくなく、完全勝利後にはスペインがバレアレス諸島に駐留するイタリアの撤退を求めるであろうと考えていた。ドイツにとって望ましいのは地中海における緊張の継続であり、要地であるバレアレス諸島へのイタリア駐留の継続はやがてフランスとイタリアの紛争を招く可能性があるとした。ヒトラーはその時期を対オーストリア・チェコスロバキア戦争のタイミングであると指摘し、「電撃的に早く」奇襲攻撃を行わなければならないとした。
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