成立しうる基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 13:51 UTC 版)
共にデンバー大学教授のジョージ・W・プリングとペネロペ・キャナンは、スラップが成立し得る基準として以下の要素が含まれることを挙げている。 刑事裁判に比べて裁判化が容易な民事訴訟の形を取ること。訴訟を起こされた側にとっては刑事告訴がより深刻だが、起こすだけなら民事訴訟は紙一枚を裁判所に出せば起こせ、相手にコストを負わせやすいという面があり、誰にでも使える合法的恫喝であるからこそ危険である。 企業・政府・地方公共団体など金銭的余裕があるモノが原告になり、提訴する側は資金、組織、人材などの資源をより多く持つ、社会的に比較強者であること。提訴によって金銭的、経済的、肉体的、精神的負担を被告に負わせ、苦痛を与える目的であり、通常の合理的訴訟なら訴えの内容、方法などに道理に合わない点があること。訴訟に勝つことは必ずしも目的ではなく、批判者・反対者に苦痛を与えるという目的は提訴開始時点で達成されるので、原告側は裁判の勝敗を重視しないこと。 提訴される側は、提訴した側の資源をより少なくしか持たない比較弱者であり、公共の利益や社会的意義にかかわる重要な問題を公的に告発や批判した個人や民間団体であること。そして、訴えられていない批判者も提訴された人たちが苦しむ姿を見て、公的発言を控える冷水効果があること。「公的」とはマスメディアへの寄稿だけでなく、その取材に答えること、ブログや記事を公開することなども含まれる。
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