成城小学校での実験とその結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:30 UTC 版)
「読み先習の法則」の記事における「成城小学校での実験とその結果」の解説
澤柳が校長を務めた成城小学校では漢字を教える時期を繰り上げて、1年生の段階から1000字以上の「漢字の読みだけを先に教える」ようにした。当時の国定国語読本は「ハナ」「マメ」「ハト」などのカタカナから始まっていたが、カタカナの単語の横に赤線を引き、それぞれに「花」「鳩」「豆」という漢字をあらかじめ書き込んでおいて、それを子どもたちに読ませた。澤柳たちは「ふりがな」ではなく「ふり漢字」のついた教科書を使って文字を教えた。 この実験結果は1921年(大正10年)に『読方教授の革新』として出版された。それによると、1年生末の段階で漢字の読み取りは平均500字、直接教えていない書き取りでも平均200字が習得されたことが確認された。当時の1年生が学ぶ漢字は約50字だったので、それをはるかに超える成果が得られた。この実験は千葉県の公立小学校でも追試された。澤柳はこの著書の序文で「われわれの考えは誤りではないということが、数年間の実験によって証拠立てられた」と述べ、これを元にして「国定読本教科書を根本的に改める必要がある」と主張した。「読み書き雁行」の語は澤柳の「読み書きは並行すべきではない、雁行すべきである」という文言に由来する。
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