意思決定における直観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 00:50 UTC 版)
心理学において、直観は問題の有効な解決方法を知り、意思決定を行う能力を含んでいる。例を挙げれば、認識主導意思決定(Recognition Primed Decision、RPD)モデルは、ゲイリー・クレインにより、人間がいかにして、選択肢を比較検討することなしに、迅速な意思決定を下しうるのかということを説明するために導入されたモデルである。ゲイリー・クレインは、時間の制限が厳しく、また判断がもたらす結果の影響が大きい状況においては、専門家は経験を元に過去の同様の状況を短時間に判別し、可能な解決方法を直観で導出することを発見した。より具体的には、RPDモデルは直観と分析を混合した三つのバリエーションからなるモデルである。直観は、パターン照合に基づき状況を認識し、解決方法を素早く導出するために用いられる(RPDモデルのバリエーション1)。それに対し、分析は、二つのケースで利用される。一つは、直観で十分な状況判断ができなかった場合に、新たな特徴を調査し、それを用いてストーリ組み立てて解釈するケースである(RPDモデルのバリエーション2)。また、解決方法を直観的に導出することができなかった場合には、解決手順を心の中で組み立てるメンタル・シミュレーションにおいて分析的な手法が用いられる(RPDモデルのバリエーション3)。 対象を分析するための重要な直観的手法としては、ブレーンストーミングがある。 一般的に、しばしば直観は第六感として受け止められる。明らかに人間の内部では数多くの無意識の過程が発生しており、それらの無意識の信号が充分に強くなれば、意識として経験される。例を挙げれば、暗い路地を歩いている女性は、突然に何かがおかしいと感じるかもしれない。彼女の直観が、危険の可能性について警告を発するぐらいに強くなったためである。直観に貢献する情報は、人間が気にも留めない周囲の環境の差異に対する、ほとんど無自覚的な観察から得られる。
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