惑星相互の掩蔽と通過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/07 14:47 UTC 版)
「通過 (天文)」の記事における「惑星相互の掩蔽と通過」の解説
稀な場合として、ある惑星が他の惑星の前面を通過することがある。これが次に起こるのは(地球から見て)2065年11月22日の12:43 (UTC) 頃であり、外合に近い金星(角直径は10.6″)が木星(角直径は30.9″)の前面を通過する。しかし、これは太陽のわずか8°西で起こるため、裸眼で見ることはできないだろう。近い方の天体の角直径が遠い方の天体よりも大きい場合、近い方の天体が遠い方の天体を完全に覆い隠すことがあり、その現象は通過ではなく掩蔽になる。地球の南端部から見ると、木星を通過する前の11:24 (UTC) 頃に、金星が木星の衛星であるガニメデを掩蔽するのが見られる。視差のため、現象が実際に見られる時間は観測者の正確な位置によって数分ほどずれるだろう。 地球から見ると、1700年から2200年までに地球から見られる惑星相互の通過や掩蔽は18回しかない。1818年から2065年まで長い空白期間があるのに注意。 1702年9月19日 - 木星が海王星を掩蔽する 1705年7月20日 - 水星が木星面を通過する 1708年7月14日 - 水星が天王星を掩蔽する 1708年10月4日 - 水星が木星面を通過する 1737年5月28日 - 金星が水星を掩蔽する 1771年8月29日 - 金星が土星面を通過する 1793年7月21日 - 水星が天王星を掩蔽する 1808年12月9日 - 水星が土星面を通過する 1818年1月3日 - 金星が木星面を通過する 2065年11月22日 - 金星が木星面を通過する 2067年7月15日 - 水星が海王星を掩蔽する 2079年8月11日 - 水星が火星を掩蔽する 2088年10月27日 - 水星が木星面を通過する 2094年4月7日 - 水星が木星面を通過する 2104年8月21日 - 金星が海王星を掩蔽する 2123年9月14日 - 金星が木星面を通過する 2126年7月29日 - 水星が火星を掩蔽する 2133年12月3日 - 金星が水星を掩蔽する 1737年の現象はジョン・ベヴィスがグリニッジ天文台で観測していた。これは惑星相互の掩蔽に関する唯一の詳細な記述である。1170年9月12日に起こった火星の木星面通過はカンタベリーの修道士ジャーヴァス、及び中国の天文学者が観測していた。さらに、金星による火星の掩蔽が1590年10月3日にハイデルベルクでミヒャエル・メストリンによって観測されている。 2022年11月29日 - 火星から見ると、地球が水星を掩蔽する。
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