恒星面通過
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 09:36 UTC 版)
地球はCoRoT-9bの軌道面をほぼ真横から見る位置にあるため、惑星が恒星面通過(トランジット)を起こし、恒星の光を遮ることが観測できる。CoRoT-9bはこの現象によって発見され、視線速度法の観測で確認された天体である。 通過を起こす系外惑星はCoRoT-9bの発見時点で70個ほど知られていたが、CoRoT-9bのように恒星から離れた軌道を持つものは見つかっていなかった。惑星の軌道半径が大きくなるほど通過が観測できる可能性は低くなるため、恒星の至近距離を公転する高温の惑星(ホット・ジュピターなど)がほとんどを占めていたためである。特殊な例として公転周期111日のトランジット惑星HD 80606 bが存在するが、この天体は離心率0.9以上の極端な楕円軌道を描いており、恒星への最接近時にはホット・ジュピター並みの高温になる。 通過が観測されると、惑星が遮る恒星光の割合から惑星のサイズを見積もることができる。また、恒星の光の一部が惑星の大気を通過してくることを利用して大気に関する情報を得ることもできる。このため、CoRoT-9bは太陽系のガス惑星に似た比較的低温の惑星について理解を深めることに役立つと考えられている。
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