恒星間空間の熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 09:23 UTC 版)
1998年、デビッド・スティーヴンソン(英語版)は、冷たい恒星間空間を漂う惑星質量天体は、放射熱によって薄い大気を凍らせずに持ちうるということを理論化した。それによれば、圧力に誘発された遠赤外線放射が水素を含む大気によって透過できず、大気が保存されているとした。 惑星系の形成過程において、いくつかの小さな原始惑星が系から弾き出されることはあると考えられている。親星から離れるにつれて紫外線は弱まり、惑星の大気中の大部分を占める水素やヘリウムは、地球程度の大きさの天体の重力によっても容易に閉じ込められる。1,000バールの気圧の水素大気を持つ地球質量程度の天体では、断熱過程の気体の対流が発生し、核に残る放射性同位体の崩壊による地熱が地表を水の融点以上に温めることが計算で示された。このようなことから、恒星間の惑星で液体の水の海を持ったものが存在することが示唆されている。さらにこれらの惑星は長い間活発な地質活動を持ち、生命の誕生に必要な磁気圏や海底火山を持つものも存在すると考えられている。しかし、そのような天体の熱放射は極めて弱く、発見は難しいとされる。 惑星が恒星から弾き出されるシミュレーションの研究により、月質量程度の衛星を持った地球質量程度の惑星の約5%は、恒星から離れた後も衛星を持ち続けることが示唆された。大きな衛星は大きな潮汐加熱の源となり得る。
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