復刻に係る問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 04:07 UTC 版)
近年、バーチャルコンソールやゲームアーカイブスといったレトロゲームの復刻や配信が盛んに行われているが、著作権や知的財産権こそ発売したゲーム会社のみにあるものの、それらの復刻は題材としたタレントが所属する芸能事務所等が持った肖像権の問題等もあり、漫画やアニメを原作とし、原作の権利者にも著作権があるキャラクターゲーム並に困難である。よって、現在、配信されているゲームはバーチャルコンソールでは「たけしの挑戦状」や、「高橋名人の冒険島シリーズ」のみにとどまっている。 また、タレントがゲームを製作した当時の所属事務所を離れている場合、または芸能界から引退している場合や死去している場合、本人の所在をつかめない場合も新規の復刻は非常に困難となる。特に、タレントが犯罪ないし重大な不祥事を起こしたような場合はほぼ見込みがなくなる。これは、事務所を変えて芸能活動を継続していたとしても製作当時の所属事務所と本人両方の許諾を要するためである。「たけしの挑戦状」のプロデュースを行ったビートたけしも本作発売してすぐに不祥事を起こして新たに個人事務所を設立しているため、当時所属していた太田プロダクションと、2018年まで所属していたオフィス北野との両方から許可を取ったものと思われる。「高橋名人の冒険島シリーズ」の場合にしても配信先のハドソンが高橋名人の新たな勤務先である「ゲッチャ・コミュニケーションズ」から許可をとったとされる(一部作品のみ)。 許諾が得られる場合であっても、メーカー側としては新規に契約を結ぶ必要があるため、自社の一存で復刻可能なタイトルに比べると契約に手間がかかる上に、メーカーの取り分が少なくなるため、復刻に二の足を踏む場合が往々にして見られる。一例としては、PCエンジンの「カトちゃんケンちゃん」(ハドソン・1987年)が日本国外(北米、フランス、韓国)では「J.J.&Jeff」というタイトルで主人公が架空のキャラクターに変更されているため、日本以外のバーチャルコンソールの配信や日本も含むPCエンジン miniの収録タイトルに入っている一方、原作の「カトちゃんケンちゃん」はパッケージ版に留まり各種配信が全く行われていない点が挙げられる。『ゴルビーのパイプライン大作戦』は、ミハエル・ゴルバチョフ本人はタイトル画面の顔グラフィックのみの起用に留まり、ゲーム本編中には一切登場していない。当作ファミコン版のプロジェクトEGG版では、ゴルバチョフのグラフィックとタイトルロゴの『ゴルビーの』を削除するだけで済ませ、タイトルも『パイプライン大作戦』に改題されている。 こうした事情のため、ゲームとしての完成度とは関係無く中古市場やネットオークションで発売時の希望小売価格を上回るプレミアム価格で取り引きされるタレントゲームも稀に見られる。
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