後納保険料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 10:20 UTC 版)
保険料は納付期限(翌月末まで)より2年を経過したときは、徴収する権利が時効により消滅する。このため、余裕資金が出来たからといって保険料を納めようとしてもできず、将来受給資格を得られなかったり、受給できる年金額の減少が予想される。 この問題点を解決するために、2012年(平成24年)10月1日に年金確保支援法が施行された。同法によって、2012年(平成24年)10月1日から2015年(平成27年)9月30日までの3年間に限り、被保険者又は被保険者であった者(既に老齢基礎年金の受給権者となっている者は除く)は厚生労働大臣の承認を受け、滞納した期間の内過去10年間分(徴収する権利が時効によって消滅しているものに限る)の保険料を納付(後納)することができる。なお、2015年(平成27年)10月1日から2017年(平成30年)9月30日までの3年間、「過去10年分」が「過去5年分」に短縮されて後納制度は継続する。特定期間(時効消滅不整合期間)と5年後納制度が重なる場合は、特定期間の納付(過去10年分)を利用する。また5年後納制度は10年後納制度よりも高い加算額が設定されている(平成27年9月16日厚生労働省告示第377号)。 後納制度を利用して納付する場合、未納期間の内、最も古い時期から納付しなければならない。なお厚生労働大臣は、後納保険料の納付の承認を行うに際して、当該承認を受けようとする者が納期限までに納付しなかった保険料であってこれを徴収する権利が時効によって消滅していないものの全部または一部を納付していないときは、当該滞納保険料の納付を求めるものとする。 老齢基礎年金は原則25年以上保険料を納付しないと受給権は得られないが、これまで「保険料の納付期限は翌月末」と規定されていたため、結果として納付年数が25年に足らず、多年に渡り多額の納付をしたにもかかわらず、年金が受け取れない人々が多数生まれ、にもかかわらず日本国政府は救済制度を作っておらず、社会問題化していた。厚生労働省は、「(同法施行によって)後納期間によって、最大で1700万人が救済対象になる」と試算した(2012年(平成24年)9月時点)。
※この「後納保険料」の解説は、「国民年金」の解説の一部です。
「後納保険料」を含む「国民年金」の記事については、「国民年金」の概要を参照ください。
- 後納保険料のページへのリンク