彫り方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 03:19 UTC 版)
プラスチックの駒やスタンプ駒、印刷駒などの普及品は工業的に生産されるが、一般的な彫り駒は駒師とよばれる専門職人の手作業によって工芸的に制作されている。 彫り駒の一般的な製法として、原料となる木を駒の大きさに切って整えたあと、書体に合わせて木地を彫っていく。その表面に漆を塗り、サンドペーパーで研ぎ出して駒となる。 彫り方と漆の使い方によって、書き駒・彫り駒・彫り埋め駒・盛り上げ駒に分けられる。 近年では彫り駒は多くが機械で彫られており、手彫りによって駒が作られることは少ない。 書き駒木地の表面に直接漆で駒字を描いたもので、最も古い形態の駒である。現在ではほとんど生産されていない。粘りがある漆の物性により、木地の表面に漆が盛り上がる。著名な駒師が価格を抑えられる「普及版の盛り上げ駒」として制作している例がある。 彫り駒木地に印刀で駒字を彫り、切削面に漆を塗って仕上げたもの。コンピュータ制御の機械で彫った比較的安価なものから、著名な駒師が丹念に仕上げた高級品まで、価格帯が広い。 彫り埋め駒彫り駒の状態から、砥の粉と漆を調合したもので切削面を埋め、表面を磨き上げて完全な平面に仕上げたもの。一見すると、木地に駒字が毛筆で書いてあるように見える。高級品で、著名な駒師の作品であるのが通常。 盛り上げ駒彫り埋め駒の状態から、漆を木地より高く「盛り上げ」たもので、見た目は書き駒に近似する。最高級品で、著名な駒師の作品であるのが通常。プロ(棋士・女流棋士)の公式戦は、テレビ棋戦等の特別の事情がある場合を除き、盛り上げ駒を使用するのが原則。
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