強い感情やストレスが原因となった死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 13:45 UTC 版)
「死因」の記事における「強い感情やストレスが原因となった死」の解説
恐怖・孤独・失意・強いストレスなどが原因(根本原因)となって、その影響で身体に諸症状が現れてその結果で人は死んでしまうことがある、という一般概念もある。つまり公式の死亡診断書というのは、死ぬ瞬間や死の直前の表面的な症状、表面的な原因などだけが記録されるしくみになってしまっているのだが、そうした書類に書かれた表面的な死因とは別に、根本原因がある場合があり、強い感情が死の根本原因になっている場合がある、ということが広く知られているのである。 恐怖、あるいは極端なストレスを感じると、あるいはその両方を感じると、身体に変化が起き、それが死につながる可能性がある。 例えば、迷走神経というものは、擬死(まるで死んでいるかのように見せて身を護る生体防御機構)のメカニズムと関連があり、迷走神経への過剰刺激というのは心拍数を減少させてしまうが、これが原因で死亡した場合でも、「心因性の死」などと公式書類に記録されてしまう可能性がある。 上のように迷走神経への過剰刺激が心拍数を低下させてしまうのとは反対に、恐怖やストレスに対する <戦うか逃げるか反応> は、ストレスホルモンを介して心拍数を増加させてしまう影響があり、心血管系の問題を引き起こす可能性がある(特にもともと症状を抱えている場合はそうである)。この <戦うか逃げるか反応> による心拍数上昇が、テロリズム・軍事攻撃・自然災害など急性ストレスを多くの人々に生じさせる出来事の後には(たとえ被災地にいない人であっても)心停止による死亡率が増加する原因になっている、とされ、またこの心拍数増加は、強盗など恐ろしい出来事に遭遇した後に(たとえ身体的外傷を負っていなくても)人が死亡する原因ともなっている、との見解が提示されている。 書類上は直接的な医学的死因を書くことになっているので、上の2種類の原因で死んだ場合、「心不全」もしくは「迷走神経抑制」などと書類には記録されてしまう可能性が高い。つまり世の中では書類上は死因が「心不全」や「迷走神経抑制」などと書かれても、本当の根本原因を挙げるとするなら死因は強いストレスだ、という場合がある。 急性ストレスが引き起こす症状の中にはたこつぼ心筋症というものもある。 ※ 日本語では誤解を招かないが、この症状について英語圏では「ブロークンハート(broken heart)症候群」という誤解をまねきがちなあだ名が与えられてしまっている(英語圏でbroken heartと言うと、日常的には心臓の物理的な損傷ではなく「失恋」のほうが真っ先に連想されてしまうので、英語圏のほとんどの人がこのあだ名のせいで間違ったイメージを抱いてしまう)が、この急性ストレスが引き起こすたこつぼ心筋症というのは、べつに人間関係(失恋)に関連している必要はない。ともかく急性ストレスであれば、どんな種類のものであれ、たこつぼ心筋症を引き起こす可能性がある。。
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