みせ‐ぐら【店蔵】
読み方:みせぐら
土蔵造りにした店。
店蔵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 05:51 UTC 版)
江戸は火事の多い都市だったが、特に明暦3年(1657年)の「明暦の大火」後、幕府は江戸の防火策に乗り出した。明暦の大火直後、茅葺や杮葺の上を土で覆って延焼を防ごうとしたが、耐久性が悪く普及しない。そこで享保5年(1720年)、一時は町人に禁止していた瓦葺や、壁を土蔵のように土で塗り込める土蔵造など、本格的な火事対策を推奨した。また、延宝2年(1647年)に本瓦よりも軽くて安い桟瓦が発明されたことで瓦葺の普及に拍車をかけた。 土蔵造の町屋は防火機能だけでなく、商人の経済力を誇示する建築表現として定着し、大きな箱棟を持つ黒漆喰の重厚な土蔵造が建設された。土蔵造は「店(見世)蔵造(みせぐらづくり)」とも呼ぶように、町屋のみせ機能を特化させたものである。しかし、江戸に土蔵造が普及するのは幕末以降になる。 幕末頃の店蔵は、黒漆喰仕上げの外壁に重厚な屋根と軒蛇腹を持ち、2階の開口部には観音開きの扉か格子を付けた横長の窓を設けていた。下屋庇は板葺きで、出桁造の建物が半数ほどあった。黒漆喰仕上げは「江戸黒」と呼ばれ、白漆喰仕上げより多くの手間がかかるが、表通りの店蔵や袖蔵では好んで用いられた。 Clip 室町一丁目付近の街並み『熈代勝覧』
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