左道と仏教のタントラとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 02:47 UTC 版)
「左道と右道」の記事における「左道と仏教のタントラとの関係」の解説
Robert Beérの『チベット象徴・モチーフ百科』(英: Encyclopedia of Tibetan symbols and motifs)では有名なタブーが説明され、「左」を暗さ、女性性、劣っていること、正しくないことと結びつけた非難が解説されている: 「仏教のタントラでは右手が情動や熟練の技といった男性的側面を象徴し、左手は知恵や空虚といった女性的側面を表す。儀礼において手に持たされるもの、例えば金剛杵と鐘、金剛杵と蓮華、ダマルと鐘、ダマルとカトヴァーンガ、矢と弓、曲がったナイフと髑髏杯、剣と盾、鉤とわな等々がそれぞれ右手と左手に持たされる。これが熟練の技の活動的・男性的側面と智慧の思索的・女性的側面との和合を象徴するのである ヒンドゥー教や仏教の女神は常に男神の左側に配置されて「男神の左太もも辺りに位置し、男神の左腕が女神の左肩におかれて女神の左胸を弄ぶ。」 ブッダの図像の表現において、右手はしばしば熟達の技を表す活動的なムドラーを形作り、左手は瞑想的均衡を表す受動的なムドラーを成す。」 以上のBeérの解説はヤブユムの象徴や、瑜伽空行母・無上瑜伽タントラと結びついた性的儀礼の観想・実践によく一致する。一般にヤブユムは本源的な(あるいは神秘的な)智慧と情動の和合を表しているとみなされる。一般的に至福と虚無の隠喩的結合はサンヴァラとその配偶者ドルジェ・パクモの性的結合を描いたチャクラサンヴァラ・タントラのタンカにおいて表現される。
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