導入後の事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 04:45 UTC 版)
「Halo (フォーミュラカー)」の記事における「導入後の事例」の解説
2016年にHaloが初披露された頃より、モータースポーツ関係者やファンの間ではその意義を疑う否定的意見が根強かった(#議論も参照)。当事者のF1ドライバーの間でもセバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソ、キミ・ライコネン、ニコ・ロズベルグら賛成派と、マックス・フェルスタッペン、ケビン・マグヌッセン、ニコ・ヒュルケンベルグ、ロマン・グロージャンら反対派で意見が分かれた。 導入後、以下のようなアクシデントにおいてHaloがドライバーの安全性に一定の寄与を果たしていることが実証され、批判は沈静化した。 2018年5月に行われたFIA F2第3戦スペインラウンドにおいて牧野任祐と福住仁嶺が接触事故を起こした際、福住のマシンが牧野の上に乗り上げたが、Haloがタイヤがヘルメットに接触するのを防ぐ機能を果たした。牧野は「ハロが役立った第1号が僕だと思います。ハロがなかったら頭に当たっていたと思いますよ」とコメントした。 2018年8月のF1ベルギーGPでは、スタート直後の多重クラッシュでシャルル・ルクレール(ザウバー)の上をフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が飛び越え、ルクレール車のHaloには黒いタイヤ跡が残っていた。FIAの調査の結果、ルクレールはHaloのおかげで頭部への外傷を免れた可能性が高いと結論付けられた。 2020年11月のF1バーレーンGPでは、ロマン・グロージャン(ハース)が他車と接触し、その弾みでガードレールに衝突し、爆発炎上する大事故が発生。真っ二つに折れたマシンのモノコックがガードレールを突き破ったが、グロージャンはHaloによって頭部を保護され、炎上するマシンから自力で脱出した。軽い火傷で済んだグロージャンは、ファンに無事を伝えるメッセージの中で「数年前の僕はHaloに反対していたけど、今はそれがF1にもたらした最高のものだと思っている」とコメント。同じくHalo否定派だったチームメイトのケビン・マグヌッセンも「あれがなかったら彼はこの世にはいなかっただろう」と効果を認めた。 2021年9月のF1イタリアGPでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシケインで交錯し、フェルスタッペンのマシンがハミルトンの上に跳ね上げられ、右後輪がロールバーを乗り越えてHaloの上を通過した。ハミルトンのヘルメットにタイヤが接触し、レース後首の痛みを訴えたものの、Haloに護られてタイヤの下敷きなる事態は免れた。ハミルトンは「今日はものすごく幸運だった。Haloに感謝する。Haloが最終的に僕を救ってくれたんだ。僕の首を守ってくれた」とコメントした。
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