専決処分の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 08:52 UTC 版)
専決処分には179条に基づく専決処分と180条に基づく専決処分の二種類がある。 179条に基づく緊急の場合の専決処分 おもに議会が機能しない事態への対処を目的として首長が独自の判断で処理するためにある。次の議会で承認を求める必要がある。ただし、議会の招集権を持つ首長が延々と議会を開かなければ理論的には専決処分が有効のままとなる(なお、2012年(平成24年)に地方自治法が改正され、首長が議会を招集しないときは、議長が臨時会を招集することができることとなった)。また、議会で不承認とされても専決処分の効力は失われない。 180条に基づく議会の委任による専決処分 おもにスピーディーな運営のために決議までの時間を省略するためにある。あらかじめ議決で決められた事項に関しては首長が自由に処分できる。179条と違い議会には報告するだけでよく、承認を求める必要はない。 専決処分は、普通地方公共団体の長たる地位に固有の権限ではない。したがって、長の職務を代理する副知事・副市町村長(152条1項)や長の指定する職員(152条2項)も専決処分をすることができる。なお、市町村が新設合併する場合、長の職務執行者(原則として合併前の市町村の長であった者で新市町村の長の選挙に立候補しない者から選任される)が合併後すぐに条例と暫定予算を専決処分をするのが通例である。 なお、2012年に地方自治法が改正され、条例または予算に関する専決処分について議会で不承認とされた場合には長は必要と認める措置を講じるとともに議会に報告する義務が設けられたほか、副知事および副市町村長の選任にあたっての議会の同意については専決処分の対象にはならないこととされた。副知事の選任については従来から専決処分できないとの行政解釈が示されていたが(昭和28年1月28日自行行発21号)、副市長について専決処分を行った事例があった(竹原信一の項参照)ため、法文上に明記されることとなった。
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