密約書の実在について
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会談に立ち会った鈴木善幸は生前「それを文章にして、署名捺印したものがどこかに今でも秘蔵されている」と語り、大平の娘婿である森田一も「書面を見た」とするなど、大平派の議員らは密約書の実在を主張した。 一方、福田赳夫の長男である福田康夫は、「そういうものはなかった。ある人(園田直)が発言したことで一気に、本当のごとく広がっただけだ。福田(赳夫)もはっきりと『ない』と言っていた」と、密約そのものを否定し、「福田(赳夫)政権は順調に実績を上げていたし、代わらなければならない理由はなかった。福田は『譲るときは大平さん』という気持ちを持っていた。年齢の問題もあり、いつまでも首相をやるとは考えていなかった」と主張している。 2004年に週刊誌「読売ウイークリー」が上述の「大福密約の覚書」の内容を公開した。この文書は園田直の次男である園田博之が所持していたもので、宏池会の便箋に「福田・大平了解事項」と記載されていた。その後、産経新聞の今堀守通が、署名の筆跡がいずれも同じであることや花押が福田のものと一致しないことを疑問に思い、持ち主の園田博之を取材したところ、文書は義母で園田直の妻であった園田天光光が保管していたものであること、博之自身もこの文書を本物だと思っていなかったことなどが判明した。また、博之は文書を大切なものだと思っておらず、今堀の取材時には既に紛失していた。
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