実現しなかった機関車プロジェクト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 10:22 UTC 版)
「複式機関」の記事における「実現しなかった機関車プロジェクト」の解説
シャプロンは第二次世界大戦後の機関車更新計画をソバージュ式3シリンダー複式機関車を含めて全面的に中止した。実際に製造されたのは1946年に改造された試作の242 A 1型とあまり成功作ではなかった4-8-2の3シリンダー単式機関車だけであった。242 A 1型はおそらく全期間を通じて最も重要な複式機関車で、わずか145.6 トンの機関車重量でシリンダー出力で5,300 馬力を発揮することができた。典型的な単式膨張の機関車では同じ出力を出すためにこの倍の重量が必要とされる可能性がある。 程度の差はあるがほぼ120度の位相差のクランクに設定し(最終的な設定は実験的に決定される)、高圧シリンダーを左側に置いた構成はアルゼンチンの技術者リビオ・ダンテ・ポルタにより、全て多段膨張で一部は3シリンダー複式の近代的な蒸気機関車を新しく製造するために開発された。これらの中には車軸配置2-10-0のものがあり、このうちの1つはアメリカ合衆国での高速貨物運用が想定され、高圧3段膨張方式であった。この構成は奇妙に見えるかもしれないが、ピストンの推力を等しくし、蒸気流路の配置という点で多くの利点があった。適切な保守と運行手順によれば、こうした機関車は現代の他の方式の機関車とも競争できると主張されていた。他には小型の2シリンダー複式のものがあり、有名なものとしてはキューバのサトウキビ農園用のバガスを燃料にした機関車がある。
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