安定性と半減期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:47 UTC 版)
命名までに発見されたニホニウムの同位体はすべて寿命が短いが、それでも重い同位体のほうが軽いものよりも安定な傾向にある。発見報告のあるうちで、もっとも長命な同位体はもっとも重い同位体でもある 286Nh(半減期20秒)である。285Nh も半減期1秒を超えると報告されている。284Nh と 283Nh はそれぞれ0.48秒と0.10秒の半減期を有する。282Nh の半減期は70ミリ秒、既知の最も軽い同位体の 278Nh は半減期も最も短く0.24ミリ秒である。未発見のさらに重い同位体はもっと安定していると予測されており、例えば 287Nh は約20分の半減期が予測されており、この長さは 286Nh のものよりも2桁大きい。 ニホニウム同位体のα崩壊半減期の理論的推定値は、実験データとよく一致している。未発見の同位体 293Nh が最も安定な同位体でβ崩壊すると予測されているが、既知のニホニウムの同位体にベータ崩壊するものはまだ知られていない。 原子核の安定性は最も重い原生核種(英語版)を持つプルトニウム以降の原子番号では急激に低下し、原子番号102以上の核種は 268Db を除いてすべて半減期が1日未満となっている。にもかかわらず、原子番号110のダームスタチウムから114のフレロビウムまでの間では安定性がわずかに上がる現象が見られる。はっきりとした理由は未だに解明されていないものの、この概念は核物理学において魔法数と呼ばれる法則に基づく「安定の島」として知られており、カリフォルニア大学のグレン・シーボーグ教授によって、超重元素が予想よりも長い原子番号・質量数の範囲に渡って存在していることを説明するために提唱されたものである。
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