学術界での規定(米国)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 16:34 UTC 版)
学術界では、大多数の大学教員や研究者は、通常、自分の研究成果を言い換え、焼き直し、少し新しい知見を加え、あちこちの学術誌に何度も発表し、出版する。自分のアイデアと研究成果を可能なかぎり広く伝えたいからである。同じアイデアを10年以上も再発表し、少し違う局面の検討を加え、新しく得られたほんの少しの知見を加え、新しい原著論文(オリジナル論文)として発表する。ゴッホが、ヒマワリの絵を7枚も描いているのと同じで、研究者も、同じモチーフ(アイデア)で、なんども類似の論文を書く[要出典]。 米国研究公正局(ORI、Office of Research Integrity)は、過去の自分の学術出版、論文、書籍に使ったアイデア・文章・図表・結果を引用しないで自分で再発表しても、研究不正の「盗用」扱いをしない。著者以外の人が引用しないで使用した時だけを盗用としている。もちろん、自己盗用は問題ないという意味ではない。自己盗用で何度も再発表するのは、オーサーシップや研究功績の帰属に関する問題であって、研究公正局としては、それらを不正の対象外とするということである。 しかし、学術界では、過去の自分の学術出版、論文、書籍に使ったアイデア・文章・図表・結果を引用しないで再発表する場合、自分が書いた文書なのに、基本的には、倫理違反の盗用または二重投稿とみなされることが多い[要出典]。同じ内容の学術出版、論文、書籍をそれと知らずに出版する出版社、買い・読む読者、水増し業績と知らずに評価する研究費審査員や人事審査員にとっては損害だからである。 ただ、倫理違反ではなく、許容される場合もある。程度問題である。ある程度の質(加工)と量を再発表するのは法的(フェアユース、日本では適用されない)にも、倫理的にも許容されている。では、どの程度の質(加工)と量が許容されるのか?
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