サティ:嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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サティ:嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ | 3 Valses du precieux degoute | 作曲年: 1914年 出版年: 1916年 初版出版地/出版社: Rouart-Lerolle |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 彼の容姿 "Sa taille" | 1分00秒 | No Image |
2 | 彼の眼鏡 "Son binocle" | 1分30秒 | No Image |
3 | 彼の脚 "Ses jambes" | 1分00秒 | No Image |
作品解説
三曲構成のこの曲をサティは、一日一曲ずつ、三日間で書いた。三曲それぞれに序文のようなものと曲中にはユニークな文章が添えられている。主人公となる男性の肉体的な部分や性格をとらえた内容である。曲は、1911年にラヴェルが作曲した、《高雅にして感傷的なワルツ》を意識して作曲したのではないかといわれている。
第一曲《かれの容姿》は、度を越えたナルシストでかっこつけの性質をもった男性が書かれている。曲は拍子や調性、終止もない。ワルツのリズムだが心地よいワルツのテンポではなくい。左の低音、二分音符中心の流れが重さを感じさせかったるいワルツとなっている。
第二曲《かれの鼻眼鏡》は、ご婦人からの贈り物であった鼻眼鏡を失くし、気力を落とした男の様子が内容となっている。。曲は、左手の動きがサティ作曲の《ジムノペディ》を思わせるモティーフとなっている。反音や全音の幅、跳躍の少ない動きが虚無感を感じさせている。気力のない、拍子抜けした様なワルツである。
第三曲《かれの脚》は、女性が夜に正装して現れ、それに対する男の目線からの思いが内容となっている。“彼女たち”と書かれた文章は隠語で“脚”であると書いている。曲は、全曲同様拍子はないが、この曲にはアクセントがつけられており、ワルツの三拍が軽快な流れを作り出している。
三曲通して、ワルツのありかたを考えさせられる魅力的な曲となっている。
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