女房の造形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 01:37 UTC 版)
「実は大金を拾ったのは現実だった。あたしが嘘をついた」と、最後に衝撃の告白をする女房。この女房をどのような人物として造形するか、これも重要である[要出典]。 亭主がいつかちゃんと働くようになる事を信じて亭主の仕事道具の手入れを欠かさない点も含めて、自堕落な亭主を機転を利かせて見事に更生させる、立派な女房として描かれる場合がほとんどである。それを聴き手は「実に偉い女房だ」「これこそ文句なしに素晴らしい夫婦愛だ」と賞賛する[要出典]。しかし、この演出法に対しては、「『わざわざ更生させるために嘘をついてやったのだ』と言わんばかりで、その偉ぶり具合が鼻につく」として嫌う意見もある[誰?]。 これとは正反対に7代目立川談志の型では、告白の時に「騙して申し訳ない」と心から謝罪して涙を流す、少し抜けた所があるが亭主を心底愛している偉ぶらない女房として造形する。反骨家の談志らしいアンチテーゼといえる。談志は三木助版を意識し、風景描写さえもなくすような演出を行ったこともある[要出典]。 3代目柳家権太楼は一時期、亭主が激怒のあまり釈明を終えた女房を容赦なく殴打するという演出を行い、物議を醸したことがある[要出典]。 林家つる子は、二ツ目当時の2021年に女性としての立場から物語に感じた違和感を元に、夫に惚れた女房の目線から描いた「芝浜」を初演。上演までの過程が翌年NHK「目撃!にっぽん」でドキュメンタリーとして放送された。
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