失明・家族の崩壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 11:52 UTC 版)
未熟児網膜症で生まれ、医者の不手際により5歳で失明した。医者に治らないと宣告されても諦めきれない母親は、息子の目が見えるようになるならと、ありとあらゆる宗教にすがり、お金を注ぎ込んでいく。一方、父親は養鯉業で一攫千金してから金の亡者になっていく。毎晩飲んで帰っては罵声を上げる父と母の悲鳴。幼少時の北田は押入れで震える毎日。そして10歳の時、母親は無一文で追い出され、すぐに継母が家に入り込み、いびりが始まった。 6歳で盲学校に入学、13年間の寮生活を送る。心の鬱憤を音の出るあらゆる楽器にぶつける毎日。音楽だけが友達だった学生生活。いつも苛められた苦い過去。「自分だけがどうして…」ぶつけるところのない苛立ちばかりが募る孤独な日々を過ごした。しかし、高校入学と同時に転任してきた吉村先生がいち早くその音楽の才能を見出し、しかも生徒としてではなく、一人の対等な人間として語りかけ、親身に耳を傾け、音楽をもっと伸ばすことを勧めてくれた。そこで得た自信と自己肯定が一つのターニングポイントとなり、暗く閉ざされた心に希望の光が差し込むのを感じた。
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