太陽モデルの変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 02:41 UTC 版)
「太陽ニュートリノ問題」の記事における「太陽モデルの変更」の解説
この矛盾を説明するための初期の試みとして、太陽モデルが間違っている、すなわち太陽内部の温度や圧力が信じられているものとは実は異なるのではないかとする提案がなされた。例えば、ニュートリノの測定は現在の核融合の量に対するものなので、太陽コアにおける核反応プロセスが一時的に停止したのかもしれないという提案がなされた。熱エネルギーが太陽のコアから表面に移動するには数千年かかるので、プロセスの停止がすぐには明らかにならないのである。 しかしながら、これらの解決策は日震学(太陽中の波動の伝播に関する研究)の発展および改良したニュートリノ測定によって否定された。 日震学の観測により太陽内部の温度を測定することが可能になり、それは標準太陽モデルと合致した。 より進歩したニュートリノ観測所による詳細なニュートリノスペクトルはまた、太陽モデルの調整が適用できない結果を提示した。実際、全低エネルギーニュートリノフラックス(Homestake実験の結果が根拠とするもの)は太陽コアの温度を低くすることを要求する。しかしながら、ニュートリノのエネルギースペクトルの細部はより高いコア温度を要求する。これは異なるエネルギーのニュートリノは異なる核反応によって生み出され、その反応速度が異なる温度依存性を持つためであり、ニュートリノスペクトルの一部を整合させるためにはより高い温度が必要となる。徹底的にとりうる方法を解析した結果、太陽モデルを調整するどの組み合わせも観測されるニュートリノスペクトルを作り出すことはできず、すべての調整がいずれかの矛盾点においてモデルを悪化させてしまうことがわかった。
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