天皇と皇太子の刀剣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 01:41 UTC 版)
天叢雲剣はレガリアの役割を持つ天皇が所有する最も重要な刀剣であり、即位の礼や大嘗祭の実施を宮中三殿に奉告するなどの重要度の高い皇室儀式の際に天皇に付き従う従者が箱に入ったこれを掲げて臨むが、このほかの勅使発遣の儀などの皇室儀式の際に天皇に付き従う従者が掲げる太刀が、天皇の守り刀の2振の昼御座御剣(ひのおましのぎょけん)であり、平安から鎌倉期の「豊後国行平」と「備前国長光」の太刀がその役割を担っている。 皇太子の東宮相伝の刀剣としては天叢雲剣に準ずるレガリア的な存在の太刀として壺切御剣がある。壺切御剣は、三種の神器や宮中三殿とともにいわゆる御由緒物の中でも別格の扱いを受けており、立太子(立皇嗣)と共に天皇から親授される。また壺切御剣の親授に先立って行平御剣(昼御座御剣と同じ刀工作)も相伝される。 このほかにも天皇と皇族は鬼丸などの多くの刀剣を有しており、それらは皇族の私有品の御物として管理されている。また皇族から国に寄贈された刀剣は三の丸尚蔵館に収蔵されている。これらの皇族由来の刀剣文化財は文化財保護法の対象外であり、いずれも国宝や重要文化財には指定されていない。
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