大衆文学・エンターテイメント小説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 01:31 UTC 版)
「日本の近現代文学史」の記事における「大衆文学・エンターテイメント小説」の解説
芸術表現を重視するとされる「文学」(これを特に純文学ともいい、主に小説を指す)とは別に、娯楽を目的とする小説の流れが一貫して存在してきた。大衆小説(大衆文学)と言われる、商業的な小説である。従来の講談や読本の流れをくむ時代小説や伝奇小説、欧米から導入された探偵小説や科学小説、また官能小説などのジャンルを含む。 第二次世界大戦までは、純文学と大衆小説は、比較的はっきり区分されていた。しかし、第二次世界大戦後は、中間小説と言われる、純文学の体裁に大衆小説の娯楽性を大幅に導入した小説が生まれた。現在[いつ?]は大衆小説家を名乗る小説家は少なくなり、大衆小説にあたる小説は「エンターテイメント」などと呼ばれ、ミステリ、歴史小説、冒険小説(アクション小説と呼ばれることも)、恋愛小説、ファンタジー小説などのジャンルに細分化されている(それゆえ「ジャンル小説」の呼称がエンターテイメント小説の別名のように使われることがある)。また、大衆小説自体が純文学に影響を与えており、双方の作品を発表する小説家がある。大衆小説から純文学へ移行する作家もいる。現在では純文学、大衆文学の境界はきわめてあいまいであるものの、「純文学」という枠組みは、商業性よりも芸術性・形式に重きを置いた小説として、今でも残っている。今のところ、実態としては純文学・大衆文学の区別はその作品の掲載誌によって行うことがもっとも一般的である。
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