大統領専用ヘリ後継機の選定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 02:16 UTC 版)
「マリーンワン」の記事における「大統領専用ヘリ後継機の選定」の解説
大統領専用ヘリで特にVH-3Dの老朽化に伴い、「マリーンワン」用要人輸送ヘリコプター後継機として、ベル/ボーイングのV-22、シコルスキーのS-92、アグスタウェストランドのUS-101の3機種が候補に挙がった。 2006年2月までに候補はS-92とUS-101に絞られ、最終的に居住性と安全性で高い評価を受けたUS-101が後継機に決まった。US-101は、VH-71 ケストレルとして23機が納入される予定だった。 しかし、軍用機をも大幅に超える防弾性能や対衝撃性能が調達要件として追加されたうえ、遅延を繰り返すうちに開発費が想定額の約2倍(112億ドル)にも達したため、2009年5月に計画は一旦中止されることが発表された。この計画中止が発表された後、VH-71にはこうした過剰ともとれる性能要求に加えてキッチンを装備することも予定されていたことが、「アメリカが核攻撃を受けている時に、食事を摂ろうなどとは決して思わないだろう」という大統領のジョークにより、明らかになった。 その後、シコルスキーはVH-3のアビオニクスやエンジン・ローター類を改修する延命案を提案していた。結局、2014年5月7日に大統領専用ヘリコプターの後継機の発注先を検討中だったアメリカ海軍は、シコルスキーを選定したと発表した。これを受けてシコルスキーは、開発済のS-92をベースにFAA(連邦航空局)認証を受けるための技術開発機 (EMD) 2機、運用試験と評価用のシステム実証試作機 (SDTA) 4機、フライトシミュレータと整備訓練用シミュレータ各1基を2018年までに納入する。型式名VH-92として、最終調達機数は21機の予定。
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