夏は夜朝の岬で生れ落ちとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > 現代俳句一覧 > 夏は夜朝の岬で生れ落ちの意味・解説 

夏は夜朝の岬で生れ落ち

作 者
季 語
夏 
季 節
夏 
出 典
前 書
 
評 言
中学国語教科書に必ず載っている平安時代随筆枕草子』の冒頭春はあけぼの」を想起させる。『徒然草』や『平家物語』冒頭のように多く国民暗唱できるなじみの文である。清少納言は、「夏は夜」のあと「月のころさらなり」と続け「闇」の中を飛ぶ「蛍」に「あはれ」を感じている。
 掲句では、「夏は夜」が「朝の岬」を印象づける。「夜」と「朝」の対比。朝から夜への時間の流れではなく、夜から朝への時間の流れが、新たな生命息吹想起させ、その生命対す様々な思い感じさせてくれる。その生命は、人間だけに限定されるではなくあらゆる生命体とらえていい。
 作者が、函館出身であることを考えると「岬」とは、立待岬であることを想定できるが、限定的に読む必要はない。「岬」は、大地が海に突き出た場所であり、出発点とも終着点ともとらえられる。「希望絶望」「始まりと終わり」など陰と陽二つの顔を持つ場所だ。
 また、生まれではなく生れ落ち」であることを考えると、「生れ落ち」た「岬」という土地様々な条件の中、「生」を享受し、いかに生きていくのかを自問しているかのように感じさせる。しかし、前述時間の流れ勘案するとそれは決して、悲観するものではなく強く「生きる」という主体的な意志であると読みたい
 そう考えると前述の『枕草子』の「闇」の中の「蛍」にも主体的な「生」の姿を見ることができ、それを含めた「あはれ」なのだと実感できる
 俳句表現する世界豊かさ多様な読みができる俳句という詩型のもつ可能性感じさせる一句である。
 
評 者
備 考
 


このページでは「現代俳句データベース(俳句)」から夏は夜朝の岬で生れ落ちを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から夏は夜朝の岬で生れ落ちを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から夏は夜朝の岬で生れ落ちを検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「夏は夜朝の岬で生れ落ち」の関連用語

夏は夜朝の岬で生れ落ちのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



夏は夜朝の岬で生れ落ちのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
現代俳句協会現代俳句協会
Copyright(C) 現代俳句協会

©2024 GRAS Group, Inc.RSS