基礎年金番号導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:41 UTC 版)
目的と経緯 日本の年金制度は、民間サラリーマン対象の厚生年金保険、公務員対象の各種共済組合、自営業者等対象の国民年金に分かれていたが、1986年(昭和61年)に全国民共通の基礎年金が導入された。また、各年金制度を通じた記録を把握し、効率化やサービスの向上を図る必要があり、1997年(平成9年)1月に各年金制度共通の基礎年金番号が導入された。 この基礎年金番号は、1997年(平成9年)1月1日現在で加入していた年金制度の年金番号が使われている。従って、1997年(平成9年)1月1日現在、国民年金に加入していた人は国民年金番号が、厚生年金に加入していた人は厚生年金番号がそのまま基礎年金番号になった。また、各共済組合の加入者には新しく10桁の基礎年金番号が付番された。 年金記録の整理・統合 過去の年金番号の基礎年金番号への統合 基礎年金番号導入前に加入していた過去の年金記録(国民年金、厚生年金等の年金番号)を基礎年金番号に統合するため、基礎年金番号を郵送で本人に通知した時に複数の年金番号を持つ人は迅速に折り返し申し出ることとされた。申し出のあった人(約916万人)及び名寄せ処理(基礎年金番号と国民年金及び厚生年金保険の情報(氏名・性別・生年月日の3項目一致者))により複数の年金番号を持つと思われる人(約902万人)の計1818万人に対して、1998年(平成10年)度から2006年(平成18年)度までに照会を行い、1147万人から回答を受け記録の統合処理を進めた。 基礎年金番号の重複 基礎年金番号の重複を避けるため、氏名・性別・生年月日で確認しているが、婚姻等で氏名を変更した場合等に重複するケースがあるため、2004年(平成16年)度以降は毎年、同一人調査(氏名、性別、生年月日、住所の4項目一致者)を行い、重複解消の処理を行っている。 20歳到達者で国民年金の加入届が提出されなかった場合は職権による適用が行われるが、20歳以前にアルバイトなどで働いたことによる厚生年金の記録があったり、遺族年金を受給していた場合は既に基礎年金番号を保有しているため、基礎年金番号が重複する場合がある。
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