均一触媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 06:40 UTC 版)
三塩化ルテニウムを含む溶液は、オレフィンのメタセシス反応に対して非常に活性がある。このような触媒は例えばポリノルボルネンの製造に対して商業的に使用されている。はっきり定義されたルテニウムカルベンおよびアルキリデン錯体は、似た反応性を示し、工業プロセスに対する機構的な洞察を提供する。例えば、グラブス触媒は医薬品や先端材料の調合に用いられている。 ルテニウム錯体は移動水素化("borrowing hydrogen"反応とも呼ばれる)に対して活性の高い触媒である。このプロセスは、ケトン、アルデヒド、イミンのエナンチオ選択的水素化に使われる。この反応は野依良治により導入されたキラルなルテニウム錯体を用いる。例えば、 (シメン)Ru(S,S-TsDPEN)は、ベンジルの(R,R)-ヒドロベンゾインへの水素化を触媒する。この反応ではギ酸塩と水/アルコールがH2源になる。 2001年のノーベル化学賞は、不斉水素化の分野への貢献で野依良治に贈られた。 2012年、有機ルテニウム触媒を研究する北野政明と共同研究者は、電子供与体および可逆水素貯蔵として安定したエレクトライドを用いるアンモニア合成を実証した。地方の農業で用いるための小規模で断続的なアンモニアの生産は、孤立した地方の施設で風力タービンにより生成される電力のシンクとして電気グリッド接続の実行可能な代替物であるかもしれない[要出典]。
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