地質と古生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/16 02:35 UTC 版)
「シュタインハイム・クレーター」の記事における「地質と古生物」の解説
クレーター縁はジュラ紀の石灰岩からなり、石灰岩は部分的に破壊されて角礫岩を形成している。ボーリング調査によるとクレーター底は角礫岩によって埋められている。この角礫岩は、衝突で高く投げ飛ばされ、クレーターへ降下した岩石物質からなる (降下角礫岩)。中央丘は、クレーターの外側ではおよそ300 mの深さにある、より古いジュラ紀の石灰岩からなる。 中央丘の石灰岩においていわゆるシャッターコーンが見つかった。これらの表面微細構造は岩石から衝突の衝撃波の伝播した結果である。シャッターコーンは1905年にシュタインハイム盆地で世界で初めて認められ記載されたが、当時それらの成因は説明できなかった。今日それらは多数の他の地球上クレーターからも認められ、衝突の明瞭なインジケータと考えられている。 クレーターが湖となっていた時代に形成された湖沼性堆積物中には中新世の種々の化石に富み、シュタインハイム盆地はこの時代の化石研究において最も重要な場所の一つに数えられている。すなわち脊椎動物(魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類)の化石が多数発見されているほかに、素晴らしく豊富で状態の良い淡水性貝類の化石が見られることで有名で、いわゆる Steinheimer Schneckensand (”シュタインハイム貝砂層”)と呼ばれているのがそれである。1862年、古生物学者フランツ・ヒルゲンドルフは、ここの堆積物中のヒラマキガイ科のヒラマキガイ属 Gyraulus の殻を調査し、殻の形が古い堆積層のものから新しい堆積層のものへとゆっくり変化していることを述べた。このヒラマキガイの殻の漸次変化に関する研究は、1859年にチャールズ・ダーウィンが出版した『種の起源』における進化論を最初に追認したものであった。 シュタインハイム・アム・アルブッヒの町は1978年にシュタインハイム隕石クレーター博物館を開いた。そこはシュタインハイム盆地の地質歩道の出発点にもなっている。
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