地域競争の激化と閉店
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:07 UTC 版)
2000年代に入ると、バブル崩壊後の平成不況による百貨店業界の不振が深刻化した。こうした状況を乗り切るため老舗百貨店の合併が相次ぎ、2003年には三越と伊勢丹が合併して三越伊勢丹となった。伊勢丹吉祥寺店でも、吉祥寺地区の商業施設集積により周辺地域の競争がさらに激化したこともあり収益が悪化、経営削減にも取り組んだものの収益性の確保が困難となった。なお、同店の2009年(平成21年)3月期の売り上げは174億3,200万円だった。 三越伊勢丹ホールディングスでは2000年代以降、経営改革の一環として郊外型百貨店の不採算店舗の閉鎖を進めており、ついに2009年(平成21年)5月に伊勢丹吉祥寺店の閉店を決定し、翌2010年3月をもって同店を閉店し、吉祥寺から撤退することを発表した。 2009年(平成21年)10月から半年近くにわたり感謝セールを開催。2010年(平成22年)3月14日の営業最終日には、閉店セールに多数の客が来店した。同日19時をもって全営業を終了し、店長が来店客らに挨拶した。店長以下、従業員一同が深々と一礼をし、38年4か月にわたる歴史に幕を下ろした。閉店直後も写真を撮影したりオリジナルの紙袋をもらう客らで賑わった。 4年前の2006年(平成18年)5月には、近鉄百貨店東京店跡地(現:ヨドバシ吉祥寺)に出店していた三越吉祥寺店が閉店したのに続き、伊勢丹吉祥寺店の閉店により、三越伊勢丹の百貨店が吉祥寺から撤退した。 なお東京多摩地域では、伊勢丹吉祥寺店と同様に駅前再開発のシンボルとして百貨店が自治体から誘致されるケースが多く、1980年代から1990年代前半にかけてはそごう(八王子そごう、多摩そごう、柚木そごう)、1996年には伊勢丹府中店が再開発により誘致されたが、いずれも閉店しており、跡地はコピス吉祥寺と同様にショッピングセンターとなることが多い。
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