国父紀念館とは? わかりやすく解説

国立国父紀念館

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/02 09:56 UTC 版)

国立国父紀念館
國立國父紀念館
概要
所在地 中華民国台湾台北市信義区
座標 北緯25度2分24秒 東経121度33分36秒 / 北緯25.04000度 東経121.56000度 / 25.04000; 121.56000座標: 北緯25度2分24秒 東経121度33分36秒 / 北緯25.04000度 東経121.56000度 / 25.04000; 121.56000
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国父紀念館
Sun Yat-Sen Memorial Hall
中華民国 文化資産
孫文の座像

登録名称國父紀念館
種類紀念館
等級台北市市定古蹟
文化資産登録
公告時期
2019年5月3日[1]
位置 中華民国台湾
台北市信義区
建設年代1972年

国立国父紀念館(こくりつこくふきねんかん、英語: Sun Yat-Sen Memorial Hall)は台湾台北市信義区にある記念館[2]博物館としても分類される[3]。「国父」は、中華民国臨時政府の初代臨時大総統を務めた孫文のことを指す。11ヘクタール[4]の敷地をもつ中山公園の中に建っている[5]。なお、英語表記は孫文が欧米では別号「逸仙」の広東語ローマ字表記である"Sun Yat-sen"で知られていることによる。

概要

1866年生まれの孫文の生誕100年を記念して建設されたもの[2]。1968年に着工し[6]、1972年5月に竣工した[3]。設計は大洪建築師事務所の王大閎 (zh)、施工は毅成建設であった[6]

30.4メートルの高さ[2]をもつこの記念館は中国の寺院風の外観を持ち[6]、南に構えられた正面入口のは大きく反っている。「カブトムシの角のよう[7]」と例えられるこの庇の反りは、内部の高さおよび採光確保のためと考えられている[6]。屋根は黄色であるが、この色は陰陽説を応用した物で、黄色は「地」すなわち「陰」を意味しているとされる[8]。入口は公園のレベルより高く、少し階段を上る必要がある。正面入口の扁額『国父紀念館』の字は蔣介石によるもの。階段を上ったあとは記念館の外周に沿って回廊状となっており、正面以外(東西北)の各辺からも内部へ至る入口が設けられている[6]

正面入口から入ると吹き抜けになっている空間が開け、正面には孫文の8.9メートル座像が置かれている[9]。その像を守備するための衛兵が手前左右に立っており、衛兵交代式は毎時0分に行われている[10]。この広間の左右には展覧室への入口があり、左手(西側)の部屋では孫文の生涯が、右手(東側)の部屋では史蹟が展示されている[11]。孫文座像の裏手は大会堂で、こちらも3階までの吹き抜けになっており、2600人ほど収容できる規模を持っている[5]。各所に階段があり、地下1階地上3階までアクセスできる。地下は資料室や自習室があり、カルチャースクールなども開催されている。2、3階は個室になったギャラリーが複数あり、それぞれ書画などの展示に利用されている。2階東側には孫逸仙博士図書館があり[12]、蔵書は30万冊以上という[2]

2018年、台北市政府文化局の審議を通過し[13]、2019年5月に直轄市定古蹟に登録された。

2024年2月26日から2026年までの予定で、リニューアル工事のため臨時休館となっている。

主な用途

蔣経国(1978年)や李登輝(1990年)の中華民国総統就任時の宣誓がここで行われた[14]

また例年金曲奨[15]金鐘奨[16]金馬奨[17]の授賞式会場となっている。

その他

台北101から見た当地の池の形がiPhone 6に似ているとインターネット上で話題になり、訪れた中国人観光客も「孫中山専用iPhone」として記念撮影するようになった[18]

入口の扁額 台北101からの国父紀念館と池

アクセス

捷運板南線南港線国父紀念館駅より徒歩3分[10]。バス停は捷運國父紀念館站、捷運國父紀念館站(仁愛)、捷運國父紀念館站(光復)があり、それぞれ複数系統が停車する[5]

関連項目

脚注

出典

  1. ^ (繁体字中国語)國父紀念館 文化部文化資産局 国家文化資産網
  2. ^ a b c d 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 D10 (台湾)』(21版)ダイヤモンド社、2010年、91頁。ISBN 9784478058299 
  3. ^ a b 劉素真「歴史的視座から見る台湾の博物館の役割」『美術教育学 : 美術科教育学会誌』、美術科教育学会、433-443頁、1999年。ISSN 0917771Xhttps://ci.nii.ac.jp/naid/110001852913/  435頁。
  4. ^ 楊蓓涵; 金子忠一; 蓑茂寿太郎「施策公園の展開に関する台日比較」『ランドスケープ研究』第5号、日本造園学会、813-818頁、2005年https://doi.org/10.5632/jila.68.813  814頁。
  5. ^ a b c 國父紀念館”. 臺北市信義區公所. 2016年11月20日閲覧。(中国語)
  6. ^ a b c d e 王恵君; 二村悟; 後藤治 監修『図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄』河出書房新社〈ふくろうの本〉、2010年https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01154634  82頁。
  7. ^ 前掲 (王, 二村 & 後藤 2010, p. 81) 。
  8. ^ 水原寿里; 武衛平「中国文化における中国語の特質に関する一考察」『アジア文化研究』第6号、美術科教育学会、212-224頁、1999年。ISSN 0917771Xhttps://ci.nii.ac.jp/naid/130004242970  216-218頁。
  9. ^ JTBパブリッシング『ソロタビ 台北』2016年、20頁https://books.google.co.jp/books?id=N3vYCwAAQBAJ 
  10. ^ a b 国父紀念館”. 台北ナビ. 株式会社台湾ナビ. 2016年11月20日閲覧。
  11. ^ 以下は特記ない限り案内図(座像の東側、奥への通路に掲示されているもの)より。2016年11月11日閲覧。
  12. ^ Floor Plan”. Dr. Sun Yat-sen Library.. 2016年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月20日閲覧。(英語)
  13. ^ (繁体字中国語)國父紀念館獲指定古蹟 大巨蛋連通出口將須送審 2018年12月28日 中央通訊社
  14. ^ (繁体字中国語)組圖:台北孫中山國父紀念館游 2018年10月13日 希望之聲
  15. ^ 第54回金馬奨ノミネート紹介:長編フィクション作品賞 2017年11月23日 フォーカス台湾
  16. ^ 第53回金鐘奨授賞式 クラウド・ルーが2冠/台湾 2018年10月19日 フォーカス台湾
  17. ^ 第55回金馬奨授賞式 台湾映画「誰先愛上他的」が3部門受賞 2019年1月2日 フォーカス台湾
  18. ^ (繁体字中国語)國父紀念館水池 俯瞰超像哀鳳6 2015年1月18日 自由時報

外部リンク


国父紀念館

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中華民国」の記事における「国父紀念館」の解説

台北市信義区にある記念館。博物館としても分類される。名称の「中華民国国父」とは孫文のこと。11ヘクタール敷地をもつ中山公園中に建っている。 1866年生まれ孫文生誕100年記念して建設されたもの。1968年着工し1972年5月竣工した設計は大洪建築師事務所の王大閎 (zh)、施工は毅成建設であった

※この「国父紀念館」の解説は、「中華民国」の解説の一部です。
「国父紀念館」を含む「中華民国」の記事については、「中華民国」の概要を参照ください。

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