回顧2 ― 民主政・現実国家に対する期待と失望、哲人王思想へ
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「第七書簡」の記事における「回顧2 ― 民主政・現実国家に対する期待と失望、哲人王思想へ」の解説
やがて三十人政権は崩壊し、自分も次第に政治活動への意欲を取り戻した。民主派トラシュブロスらの政権(紀元前403年)は、穏健なものだった。しかし今度も、一部の権力者がソクラテスを死刑に追いやってしまった(紀元前399年)。 そうした事件や、国政に関わる者達を観察し、法律・慣習に立ち入って考察すればするほど、国事を正しく司ることが困難に思えてきた。味方・同志が必要とも感じた。 また、成文法律、不文風習も荒廃の一途を辿るばかりであり、始めは公共活動への意欲で胸いっぱいだったものの、法習が支離滅裂に引き回されるのを見て、眩暈がした。したがって、それらばかりでなく、国制全体をどうすれば改善できるかも、考察はし続けたものの、実際行動は控えている他なかった。 また、現今の様々な国家を見て、全て一つ残らず悪政が行われていることを認識し、もはや哲学者が国家元首になるか、国家権力者を哲学者にするか、どちらかでなければ人類が禍から逃れることはできないと思うようになった(哲人王思想)。
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