回避傾向を持つ群とは? わかりやすく解説

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回避傾向を持つ群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 23:39 UTC 版)

自己愛性パーソナリティ障害」の記事における「回避傾向を持つ群」の解説

騒々し見栄っ張りで、傲慢で人を利用するという明確な自己愛性パーソナリティ障害人物像とは対照的に過度につきやすく、失敗恐れ恥をかかされることを心配するために人前に出ることを避け過敏なタイプ自己愛パーソナリティ人々がいる。彼らは周囲の人が自分にどういった反応をするかに非常に敏感で、絶えず人に注意向けている。批判的な反応にはとても過敏で、容易に侮辱されたと感じる。人に非難されたり、欠点指摘されることを恐れ社会的に引きこもることで葛藤避け自己の万能世界築きあげようとする一群である。自分拒絶され軽蔑されるだろうと確信しているために、スポットライト浴びることを常に避ける。表面的に内気抑制的見えるが、その実精神内界には誇大的幻想抱えており、自己愛活動大部分空想の中で行い、それを人に知られないようにしている。彼らの内的世界核心には、誇大的顕示的な秘められた願望根ざした、強い羞恥心がある。 一見すると慎み深く、ときに深く共感的見えることもあるが、それは他者純粋な関心あるよう見せたいという彼らの願望取り違えているだけである。彼らは自分心的防衛最終段階にある抑制的な行動しか目に入らず自分のこと恥ずかしがり屋自己主張できない人間であり、当然受けるべきものも得られない性格だと考えていることがある現実には持続的な人間関係を持つことが出来ず共感性欠如示し、内に秘めた誇大的自己像は慎重な面接繰り返していくことで徐々に明らかになっていくのが、潜在型のナルシスト特徴である。 アメリカ精神医学会精神障害の診断と統計マニュアルDSM)において、自己愛性パーソナリティ障害人物批判挫折に伴う傷つきに非常に敏感なため、社会的ひきこもり人々にも見られることを報告している。グレン・ギャバードは、潜在型の自己愛性パーソナリティ障害人々回避性パーソナリティ障害社交恐怖多くの点で関連していることを指摘している。また牛島は、現代操作的診断基準DSMにおいては顕在型の傲慢なタイプ自己愛性パーソナリティ障害診断されるが、潜在型の過敏なタイプ回避性パーソナリティ障害(あるいはスキゾイドパーソナリティ障害)と診断されてしまうことが少なくない述べている。これらは精神力動的には同じもので、単なる表裏問題過ぎず背景にある自己愛性の問題把握することが必要であることを指摘している。また丸田は、典型的な症例は無関心型と過敏型の特徴どちらかを示すが、臨床的にはほとんどが両者混合型であり、ひとつの症状軸である「他者反応に意を介さない vs 他者反応に対して非常に敏感」を取り上げても、その反応振り子両極のように大きく揺れ動くのが特徴健康な人は揺れ少ない)という点を指摘している。現実自己愛性パーソナリティ障害は、ギャバード分類した関心型のから過敏型のへと至る線上いずれかにプロットされると考えられる

※この「回避傾向を持つ群」の解説は、「自己愛性パーソナリティ障害」の解説の一部です。
「回避傾向を持つ群」を含む「自己愛性パーソナリティ障害」の記事については、「自己愛性パーソナリティ障害」の概要を参照ください。

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