商法違反に対する司法判断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 07:00 UTC 版)
「東洋電機カラーテレビ事件」の記事における「商法違反に対する司法判断」の解説
東京地方裁判所の第一審は、議場を荒らす「総会荒らし」と議事運営を円滑にする「総会屋」を区別したうえで、会社の議案が通るような議事運営を図るように総会屋に頼んだのは不正の請託に当たらない、として全員無罪と判決した。判決に対し検察側は控訴した。 東京高等裁判所の第二審は、1967年10月、原審を取り消して全員有罪とした。被告側は上告。 最高裁判所は、1969年10月、「経営上の不正や失策に対する追及を逃れるために総会屋に株主権の濫用をすることにより他の株主の発言や議決権の行使を妨害するように依頼したのは『不正の請託』である」との判断を示した。それまでこの条文の運用に際しては「不正の請託」や「財産上の利益」の要件を限定的に捉えることが多く、本件は「不正の請託」を認めた数少ない判例となった。最高裁はこの事由をもって上告を棄却し有罪が確定した。 その後、1981年に商法が改正され、「不正の請託」であるかないかを問わず、株主の権利行使に関して会社の財産を支出した時点で刑事罰の対象とすることとなった。
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