唐代・宋代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 13:58 UTC 版)
初期の『史通』の受容例としては、唐代の杜佑『通典』に『史通』を引用したと思しき箇所があることが挙げられる。宋代に入ると、劉知幾の「史才三長説」と「五不可論」は広く人口に膾炙しており、北宋の韋驤の「詠唐詩」、劉弇の策問、陸游「史院諸事」、王珌による史官の辞退文などに用いられている。また、『史通』の記述を考証に用いた例として、南宋の王応麟『困学紀聞』が挙げられる。 『史通』が実際の歴史書の編纂に影響を与えた例としては、清朝考証学者の銭大昕が指摘する『新唐書』の例があり、『新唐書』では『史通』書志篇・邑里篇・論賛篇における劉知幾の主張が取り入れられている。また、南宋の鄭樵『通志』は、断代史である『漢書』を尊重する劉知幾を批判しながらも、『通志』二十略の部門に「氏族」「都邑」「昆虫草木」の三略を立てており、これは『史通』書志篇の議論を参考にしている。福島 (1995, p. 30)は、『史通』と『資治通鑑』の共通点を指摘し、司馬光が『史通』を参考にした可能性が高いことを指摘している。
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