宋代の庶民女性の暮らし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2022/06/10 04:53 UTC 版)
「中国の女性史」の記事における「宋代の庶民女性の暮らし」の解説
宋代においても「男耕女織」の観念は強固だったものの、これと反する実例も多い。たとえば、南宋の袁采（中国語版）『袁氏世範』には、当時の社会における女性の活躍が描かれている。ここには夫や息子が無能である場合、妻が一家の生業に精力的に参加して一家を支える例が記されている。また、当時の戸籍の調査によって、「女戸」つまり女性が財産を持ち、家長となっていた家が多数存在したことも明らかになっている。 また、唐代・宋代を通して、女性が田植え作業に従事する記述、男性が桑の葉摘みに従事する記述もたびたび見え、男女分業の観念も現実的な必要に迫られると必ずしも機能しないことが分かる。南宋の洪邁による『夷堅志』には、離婚後の妻や未亡人が商売を行って自活した例や、妻が夫を養った例も散見される。当時、女性一人で経営可能なほど条件の良い生業としては、商業または製粉業が挙げられる。
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