同輩中の首席か内閣の支配者か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:53 UTC 版)
「政府の長」の記事における「同輩中の首席か内閣の支配者か」の解説
憲法によって政府の長に認められた権限の範囲および射程は異なる。古い憲法によっては(例えば、オーストラリアの1900年の条文やベルギーの1830年の条文)、首相職について全く言及しないものの、その職がやがて正式な憲法上の地位を伴わないまま事実上現実化した。憲法によっては首相をprimus inter pares(同輩中の首席)とし、フィンランドやベルギーにおいては依然として現にそのような実務である。しかしながら、その他の国々おいては、首相を内閣制度における中心的で支配的な立場とする。例えば、アイルランドの首相は、議会の解散をいつ求めるかを単独で決定することができる。他方で、他の国々においてはこれは内閣の決定事項であり、首相はその一員として提案に対し票を投じるに過ぎない。英国の憲法においては、首相の役割は、しばしば各人の個人的魅力や個性の強さを基礎として発達した。例えば、クレメント・アトリーに対するウィンストン・チャーチルや、ジョン・メージャーに対するマーガレット・サッチャーの例がある。 多くの国々において個人的な指導力の強化に伴い首相自身が「準大統領的」なものへの変化したと主張される。その理由の一部は、議会にではなく指導者とその命令に焦点を当てたマスコミの政治報道と、首相への権限集中のためである。そのような主張は最近の2人の英国首相に対してなされた。マーガレット・サッチャーとトニー・ブレアである。また、同様の主張は、カナダのピエール・トルドー首相や西ドイツ(後に統一ドイツ)首相のヘルムート・コールに対しても、その在任中においてなされた。
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