古墳の調査と発掘経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 13:52 UTC 版)
九条塚古墳は1910年2月、発掘が行われた。これは古墳の土地所有者が後円部の墳頂部の立木を伐採した際、朱の付着した石を発見したことがきっかけとなって行われた発掘であった。発掘によって古墳の主体部として砂岩によって構築された石室が発見され、石室内から様々な遺物が検出されたが、発掘調査の内容がまとめられて公表されることはなく、わずかに1910年に刊行された「考古学雑誌」第一巻第十一号と、1927年に刊行された「君津郡郡誌」に発掘結果の一部が紹介されたにすぎない。このときの調査で検出された出土遺物は、一部が東京国立博物館に保管されている他は、飯野小学校に保管されてきたが、九条塚古墳以外の出土品も混入していると考えられる。なお、1990年には飯野小学校に保管されている出土品の調査が行われている。 1910年以降、墳丘部の発掘は行われていないが、1983年にまず千葉県教育委員会の手によって墳丘の測量調査が行われ、その後1989年、1991年、1994年、1999年、2003年と周溝部の発掘調査が行われ、二重の周溝や円筒埴輪などが検出された。近年の発掘結果と1990年の出土品調査によって、九条塚古墳が約半世紀の中断後、6世紀半ば頃に内裏塚古墳群で約半世紀ぶりに築造された、二重の周溝を持つ墳丘長103メートルの古墳であることが明らかとなった。
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