古代ヘブライ・ギリシアからキリスト教的霊性までの変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 15:28 UTC 版)
「霊性」の記事における「古代ヘブライ・ギリシアからキリスト教的霊性までの変遷」の解説
詳細は「霊性_(キリスト教)」を参照 カトリック神学用語として霊性が使用されたのは5世紀に遡る。その背景にはパウロが使った「霊」(ギリシア語でプネウマ)がある。霊性 (spirituality) と霊 (spirit) は欧米日本共に近似しているため、両者は混同されやすく、その区別を確かめることは重要である。 Spirituality(スピリチュアリティ)は、ギリシア語の πνευμα(プネウマ)、ψυχή(プシュケー、プシューケー)、ヘブライ語の ר֫וּחַ(ルーアハ)、ラテン語の spiritus(スピリトゥス)、英語の spirit(スピリット)を語源とし、聖書の日本語訳では聖霊、御霊とも訳されてきた。従来の日本のキリスト教においては「霊的」という言葉が使われてきたが、キリスト教でもその歴史のなかで修道院における霊的観想や霊的修練を見直す運動につながるなど、神に従って生きようとするキリスト者の歩みの総体が「霊性」という言葉で表現されるようになった。 キリスト教における今日的な意味での霊性につながるような用語法は、17世紀から使われるようになったフランス語の spiritualité(スピリチュアリテ)に端を発している。これは神秘主義に関連する言葉として用いられたが、当初は肯定的な意味ではなく侮蔑的な意味合いを込めて使われた。当時のキリスト教神秘家ジャンヌ=マリ・ギュイヨン(フランス語版)の「新霊性」は地上的生活からあまりにも乖離しているといった問題点から異端視された。しかしその後、「スピリチュアリテ(霊性)」は修道院における祈りと修練の生活やそのシステムを指す近代カトリックの用語となり、20世紀初頭には積極的な意味で使われる神学用語となった。さらに1950-60年代には、霊性はカトリックの理想的な修道生活のみならず平信徒の内面生活にも係わるものと考えられるようになり、この用語法はプロテスタントの間でもみられるようになった。
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